このページの監修者

河合歯科 矯正歯科
矯正治療の種類
①マウスピース矯正
マウスピース矯正は、3D技術を用いて製作した透明なマウスピースをはめておこなう新しい治療方法です。透明で目立たず周囲に気づかれにくいため、大人の方にもおすすめです。
②ワイヤー矯正
歯にブラケットとワイヤーという器具を取り付けておこなう矯正方法です。形状記憶ワイヤーが元の形に戻ろうとする力を利用して歯を動かしていきます。
矯正方法その①
マウスピース矯正の
特長・メリット・デメリット

マウスピース矯正の仕組み

マウスピース矯正では、形が異なるマウスピースを着け替えることで歯を動かしていきます。
歯列をスキャンした3Dデータを元に「現状の歯並び」から「理想の歯並び」に向けて形が異なるマウスピースを複数枚製作します。2週間ごとにマウスピースを着け替えることで歯に少しずつ力を加えて歯を動かします。
マウスピース矯正の補助装置
マウスピースだけでは意図した方向に正しく力をかけられないことがあります。そこで、以下のような補助装置を用いることでさまざまな動きが可能になります。
アタッチメント
顎間ゴム
バイトランプ/後部咬合ランプ
拡大床 ※当院では取り扱っていません
①アタッチメント

アタッチメントは歯に取り付ける小さな樹脂の突起物です。取り付け予定の箇所にはマウスピース側に窪みが付いており、アタッチメントを窪みに引っ掛けることで歯により強い力をかけられます。歯体移動、傾斜移動、挺出、圧下、回転など様々な動きをおこなうために使います。
②顎間ゴム

上と下のかみ合わせを調整したり、前歯を引っ込めたりする時などに使用する専用のゴムです。
③バイトランプ/
後部咬合ランプ

主に前歯の裏側に設置される3mm程度のマウスピースのでっぱりです。過蓋咬合(噛み合わせが深い)の治療で前歯を引っ込める動きを補助するために使います。
マウスピース矯正のメリット
メリット
透明で目立たない 出っ歯矯正が得意 前歯が閉じない場合の矯正が得意 食事や歯磨きの際に取り外せる 痛みや違和感が少ない 運動中に口腔内が傷つかない 歯根吸収が起きにくい 契約前にシミュレーションを見れる ワイヤー矯正よりも安い場合が多い透明で目立たない

装置が透明なので、着けていても周囲からほとんど気づかれません。従来のワイヤー矯正は見た目が気になって矯正に踏み切れなかった大人の方にもおすすめです。
出っ歯矯正が得意

マウスピース矯正は傾いた歯を押し込む「傾斜移動」がとても得意です。出っ歯のみの矯正であればワイヤー矯正よりも短期間で矯正できる場合が多いです。
前歯が閉じない場合の矯正が得意

マウスピース矯正は歯を押し下げる「圧下」と前歯を押し倒す「傾斜移動」が得意です。そのため、奥歯の圧下と前歯の傾斜移動が必要な「開咬(前歯が閉じない)」の矯正が得意です。
食事や歯磨きの際に取り外せる

食事や歯磨きはマウスピースを外して普段通りおこなえます。しっかり歯磨きできるため、ワイヤー矯正よりも虫歯や歯周病のリスクが低いです。
痛みや違和感が少ない

マウスピース矯正の痛みはワイヤー矯正の3分の1程度といわれています。ワイヤー矯正はワイヤーの調整が月に1回しかないため、調整後は急激な力が加わることで強い痛みや違和感を伴います。
いっぽうマウスピース矯正は1~2週間に1度装置を交換し段階的に歯を動かしていくため痛みが少ないです。
運動中に口腔内が傷つかない
ワイヤー矯正は運動中に人とぶつかると口腔内が切れたりします。マウスピース矯正ならその心配はありません。
歯根吸収が起きにくい
歯列矯正における歯根吸収とは、歯に過度な力がかかることで歯根の一部が溶けて短くなったり、無くなったりすることです。
ワイヤー矯正は月に1回しかワイヤー調整をおこなわないため、調整直後は歯に強い力がかかってしまいます。いっぽうマウスピース矯正は2週間に1回マウスピース交換し段階的にゆるやかに力を加えるため、歯根のリスクが低いです。
契約前に
シミュレーションを見れる
矯正治療がどのように進み、最終的にどのような歯並びになるか事前にシミュレーションで確認したうえで契約することができます。
ワイヤー矯正よりも安め
全顎矯正(すべての歯を動かす矯正)の場合、ワイヤー矯正の相場は70万円~120万円程度です。いっぽうマウスピース矯正の相場は40万円~100万円程度とワイヤー矯正よりも安めです。
マウスピース矯正のデメリット
デメリット
自己管理が必要 マウスピースの掃除が手間 装着中は飲食できない(水はOK) 歯を大きく・細かく動かすのは苦手自己管理が必要
マウスピースは最低でも1日20時間以上装着する必要があります。装置は自由に外すことができるため、患者さんご自身の自己管理が必要です。装着をさぼってしまうと、治療の遅れや後戻りに繋がってしまいます。
マウスピースの掃除が手間
普段通りの歯磨きに加えて、マウスピースの掃除の手間が増えます。すくなくとも1日に1回は掃除する必要があります。
装着中は飲食できない(水はOK)
マウスピース着用中は水か無糖の炭酸水しか飲めません。間食やコーヒーを飲む際にもマウスピースを取り外す必要があります。
運動中に口腔内が傷つかない
ワイヤー矯正は運動中に人とぶつかると口腔内が切れたりします。マウスピース矯正ならその心配はありません。
計画のズレにすぐに対応できない
治療計画を立てても必ずしも計画どおりに歯が動くわけではありません。ワイヤー矯正であればその時々に応じて力のかけ方を変えるなど柔軟な対応が可能です。マウスピース矯正は一度に複数枚のマウスピースを製作するため、計画のずれにすぐに対応しにくいというデメリットがあります。
マウスピース矯正の費用相場
矯正方法その②
ワイヤー矯正の
特長・メリット・デメリット

ワイヤー矯正の仕組み

ワイヤー矯正は、歯にブラケットといわれる器具を装着し、ワイヤーを通しておこなう矯正方法です。
矯正用のワイヤーには形状記憶合金が使われています。ブラケットにワイヤーを装着することで、曲がったワイヤーが元の形に戻ろうとして歯に力が加わります。

月に1回程度の頻度で力のかけ具合を調整し、歯並びを徐々に改善していきます。
ワイヤー矯正の補助装置
ワイヤーとブラケットだけでは意図した方向に正しく力をかけられないことがあります。そこで、以下のような補助装置を用いることがあります。
顎間ゴム
床矯正装置 ※当院では取り扱っていません
①顎間ゴム

上と下のかみ合わせを調整したり、前歯を引っ込めたりする時などに使用する専用のゴムです。
②床矯正装置

床矯正装置は、プラスチックのプレートとワイヤー、ネジで構成されている装置です。歯列全体を拡大するための物や歯を部分的に動かすための物など、様々な用途の床矯正装置があります。(当院では取り扱っていません)
ワイヤー矯正のメリット
メリット
深い噛み合わせの矯正が得意 歯を大きく・細かく動かすのが得意 計画のズレにすぐに対応できる 自己管理の必要がない深い噛み合わせの矯正が得意

ワイヤー矯正はマウスピース矯正と比べて歯を引っ張りだす「挺出」という移動が得意です。そのため、奥歯の挺出が必要な重度の過蓋咬合(深い嚙み合わせ)の矯正が得意です。
歯を大きく・細かく動かすのが得意
ワイヤーを調整することで個々の歯により大きな力を加えることができます。歯をより大きく動かす必要がある症例や個々の歯を細かく動かす必要がある症例の矯正が得意です。
計画のズレにすぐに対応できる
治療計画を立てても必ずしも計画どおりに歯が動くわけではありません。ワイヤー矯正であればその時々に応じて力のかけ方を変えるなど柔軟な対応が可能です。
自己管理の必要がない
ワイヤー矯正は装置を自分で外すことができないため、自己管理の必要がありません。マウスピース矯正の場合はご自身で装置を外すことができるため、ついつい着用をサボりがちになってしまうこともあります。ワイヤー矯正は自己管理の必要がなく治療の遅延が起きにくいです。
ワイヤー矯正のデメリット
デメリット
器具が目立つ 痛みが強め 口腔内が傷つきやすい 歯根吸収が起きやすい 歯磨きしづらい マウスピース矯正よりも費用が高い器具が目立つ

金属のブラケットやワイヤーを歯に取り付けるため、器具が目立ちやすいです。いざ治療が始まると、この状態が数年間続きます。
ブラケットが目立たない「クリアブラケット」などの器具を使うことで目立ちにくくすることもできます。
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クリアブラケット
痛みが強め
ワイヤー矯正はおおむね月に1回の頻度でワイヤーの調整をおこないます。調整後は歯に強い負荷がかかって強い痛みが出ます。痛みが強い時には、普通に炊いたごはん粒でも痛くて噛めない事があります。
口腔内が傷つきやすい
ブラケットやワイヤーなどの器具で口腔内が傷つくことで、口内炎になりやすいです。
歯根吸収が起きやすい
歯根吸収とは、歯に過度な力がかかることで歯根の一部が溶けて短くなったり、無くなったりすることです。
ワイヤー矯正は月に1回しかワイヤー調整をおこないません。調整直後は歯に強い力がかかるため、歯根吸収が起きやすいです。
歯磨きしづらい
ワイヤーやブラケットがあるため、普段通り歯磨きしづらくなります。ブラケットの間には汚れが溜まりやすいため、虫歯や歯周病のリスクも高まってしまいます。
マウスピース矯正よりも費用が高い
一般的に、ワイヤー矯正はマウスピース矯正よりも費用が高めです。
ワイヤー矯正の費用相場
70万円~120万円程度(全顎矯正時)矯正できる
不正咬合の種類
次のページでは、歯列矯正で改善できる不正咬合の種類をご紹介します。当てはまるものがあるか見てみてください。