矯正治療はリスク・副作用・デメリットをともなう治療です。どのようなものがあるのかご説明いたします。
このページの監修者
河合歯科 矯正歯科
リスク・副作用・デメリット①
痛み・不快感
歯の移動に伴う歯の痛み
歯列矯正では歯に力を加えるため、痛みや不快感を伴います。ワイヤー調整後やマウスピース交換後2~3日は痛みを感じやすいです。
矯正装置による 違和感や粘膜の痛み
矯正装置の一部が頬の内側の粘膜や舌にあたることで傷や口内炎ができたり、違和感や不快感を感じたりすることがあります。矯正装置には1~2週間程度で慣れる事が多いです。
リスク・副作用・デメリット②
虫歯や歯周病になりやすい
虫歯や歯周病の リスクが高まる理由
ワイヤー矯正はブラケットの間に汚れがたまりやすく、歯磨きの難易度も高まります。
マウスピースは着用することで唾液が歯と歯の間に行き渡りにくくなるため、唾液による殺菌効果が得にくくなります。
定期的にご来院いただきチェックします
矯正治療期間中に定期的にご来院いただき、歯のクリーニングと虫歯・歯周病チェックをおこないます。
器具や歯の正しい清掃方法をレクチャーします
虫歯や歯周病にならないよう、歯や矯正装置の清掃方法や矯正中の過ごし方についてもしっかりとご案内させていただきます。
リスク・副作用・デメリット③
歯根吸収
歯根吸収とは？
歯根吸収とは、歯に過度な力がかかることで歯根の一部が溶けて短くなったり、無くなったりすることです。
歯根吸収はほとんどの症例で若干は起こりますが、気にしすぎる必要はありません。軽度であれば歯の健康に問題はなく、矯正治療を終えれば徐々に回復していきます。
定期的にご来院いただきチェックします
治療中に定期的にご来院いただき、状態のチェックをおこないます。歯根吸収が著しい場合は治療計画を補正し、治療を1〜3ヵ月程度中断した後に、治療を再開する場合があります。多少のグラつきは矯正治療の正常な反応であることがほとんどのため、それほど心配する必要はありません。
リスク・副作用・デメリット④
歯を失う可能性がある
矯正で歯を失う理由
非常に稀ですが、矯正によって歯を失うことがあります。歯周病が進行している状態で矯正した際や、差し歯の根っこが割れてしまったとき、歯根吸収が重症化した際に起こります。
リスクが高い場合は事前にお伝えします
歯周病にかかっている場合や歯の根っこの治療履歴がある方は、矯正によって歯を失うリスクが高いです。リスクが高い場合はあらかじめ初診察時にご案内いたします。
定期的にご来院いただきチェックします
リスクが高い箇所は、定期診察の際に特に慎重に状態をチェックいたします。必要に応じて力のかけ具合いやペースを変え、可能な限り歯の温存に努めます。
リスク・副作用・デメリット⑤
歯の抜歯・IPRをする
場合がある
抜歯・IPRをする理由
不正咬合の原因の多くは歯のスペース不足です。（特に叢生や出っ歯）歯を並べ直すスペース確保のために、抜歯やIPR（歯を少し削る）をおこなことがあります。
抜くのはどの歯？
抜歯の頻度が多い箇所は「小臼歯」「親知らず」です。噛み合わせのバランスを維持するために、左右2本ずつ、もしくは上下左右で4本ずつ抜歯する場合が多いです。
IPRは安全？
IPRは、歯と歯の間のエナメル質をわずかに0.1～0.6mm程度削る処置です。削る際に痛みを感じたり、IPRによって虫歯になりやすくなったりすることもありません。このことは、過去の研究結果でも報告されています。
リスク・副作用・デメリット⑥
望ましくない顔貌変化
起こりうる顔貌変化
矯正の結果起こりうる好ましく顔貌変化は「人中が伸びて見える」「頬コケ」「ほうれい線が目立つ」です。もちろんこうした変化がおこらず、好ましい変化のみ生じる場合もあります。
原因１ 歯が引っ込むことで 皮膚がゆるむ
スペース確保のために抜歯をおこなったり、歯を引っ込めたり、エラ張りが改善したりすることで、これまで引っ張られていた皮膚がゆるみます。その結果、矯正前よりも皮膚があまって、人中が伸びる・頬コケ・ほうれい線が目立つなどの変化が起きることがあります。
原因２ 咀嚼筋や表情筋が 一時的に衰える
矯正中に硬い食べ物を避けたり、口周りをあまり動かさないようにしたりすることで、一時的に咀嚼筋や表情筋が衰えて人中が伸びる・頬コケ・ほうれい線が目立つなどの変化が起きることがあります。
丁寧なカウンセリングを徹底しています
矯正によってどうなりたいか、患者さまそれぞれが目指すゴールについて丁寧にカウンセリングさせていただきます。矯正治療にいらっしゃる患者さんの多くは見た目の改善を希望しています。矯正治療によって起きうる好ましくない顔貌変化の可能性についてもしっかりお伝えたうえで、患者さんと相談のうえ対策と治療方針を決めてまいります。
ご要望や不安なことがあれば、些細なことでもぜひお教えください
カウンセリングの際は当院からも見た目の変化についてご説明しますが、患者さま側からも気兼ねなくご要望や不安なことについてお教えくださいませ。
リスク・副作用・デメリット⑦
アレルギー
矯正装置の素材による アレルギー
ワイヤー矯正装置に使われる素材にはニッケルやクロム、コバルトなどが含まれる場合があるため、金属アレルギーの方は注意が必要です。また、稀にですがマウスピースの素材（シリコーン、アクリル、ポリウレタンなど）に対するアレルギー反応が起こる可能性があります。
ワイヤー矯正とマウスピース両方取り扱っています
当院ではワイヤー矯正とマウスピース矯正どちらも取り扱っています。ご自身に合った治療方法で安全に治療を始めていただけます。
矯正方法を3,150円で切り替えできます
全顎矯正のプレミアプランの場合、治療開始後にアレルギー症状が出てしまった場合でも、3,150円で矯正方法を切り替えることができます。（例：ワイヤー矯正→マウスピース矯正）
リスク・副作用・デメリット⑧
歯茎が下がる
歯茎が下がってしまう理由
歯に過剰に力が加わることで、歯茎に負担がかかり歯茎が下がってしまうことがあります。また、力の加え方が適切であっても、元々の歯茎の状態や歯の形状によっては歯茎が下がりやすい場合もあります。
リスクが高い場合は事前にお伝えします
歯肉退縮のリスクが高い場合はあらかじめ初診察時にご案内いたします。じっくり考えていただいたうえで矯正治療をおこなうか決めていきましょう。
定期的にご来院いただきチェックします
定期診察の際に状態をチェックいたします。必要に応じて力のかけ具合いやペースを変え、可能な限り歯肉の温存に努めます。
リスク・副作用・デメリット⑨
歯並びの後戻り
後戻りとは？
後戻りとは、矯正治療で整えた歯並びが元に戻ってしまうことです。矯正治療後はまだ歯の周囲の骨が安定しておらず、後戻りのリスクが高いです。後戻り予防のために、矯正治療終了後は2年間リテーナーという保定用のマウスピースをご着用いただく必要があります。
当院の歯列矯正の特徴
次のページでは、当院の歯列矯正の特徴をご紹介します。ご紹介します。矯正治療をご検討中の方はぜひご覧ください。
患者さんのペースで治療をおこないます
痛みに慣れていない治療初期は、様子を見つつ無理のない範囲で徐々に力をかけていきます。患者さんそれぞれのペースに合わせて治療を進めていきますのでご安心ください。
ワイヤー矯正の場合は保護剤を無料でお渡ししています
ワイヤー矯正の場合は痛み対策として矯正用ワックス（痛い時に装置につける保護材）をお渡ししています。歯の移動による痛みが強すぎる場合は市販の痛み止め（例：イブプロフェンやアセトアミノフェン）が有効です。
痛みが苦手な方はマウスピース矯正がおすすめです
痛みが苦手な方は、痛みがゆるやかなマウスピース矯正がおすすめです。ワイヤー矯正で治療を始めた方でも、8 ,000円で治療方法をマウスピース矯正に変更することができます。