加齢が歯並びに与える影響とは？原因と対策

加齢による歯並びのよくある悩み

前歯がデコボコになってきた

歳を重ねると、以前は整っていた前歯がデコボコになり始めることがあります。この変化は、下顎の前歯に特に起こります。加齢によって歯周組織が衰え、骨の縮小によって歯が収まるスペースが不足してしまうためです。

噛み合わせがずれてきた

歯並びが悪くなることで嚙み合わせも悪化し、歯ぎしりや食いしばりといった癖がついてしまうこともあります。顎関節に負荷がかかり、頭痛や肩こりの原因になることもあります。このようなずれを放置すると、食べ物をきちんと噛むことが難しくなり、消化不良にもつながります。

隙間ができて食べ物が詰まりやすい

歯茎の退縮や骨の減少、歯周病などが原因で歯と歯の間に隙間ができてしまうこともあります。食べ物が詰まりやすくなり虫歯や歯周病が悪化するリスクが高まります。

顔の印象が変わる

歯並びが変わることで顔の印象が変化することもあります。噛み合わせが悪化すると顎のラインが崩れ、頬がこけたように見えることがあります。また、歯が内側に傾いたり隙間ができた場合、口元が締まりにくくなり、老けた印象を与えてしまうことがあります。このような変化はお口周りの見た目だけでなく、発音や全身の筋肉のバランスにも悪影響を及ぼします。

加齢による歯並びの悪化の原因

骨の代謝の低下

加齢に伴い代謝が低下することで、新しい骨を作る速度が遅くなり、お口周りの骨（歯槽骨や顎の骨）が全体的に弱くなっていきます。その結果、歯が安定性を失って移動しやすくなり歯並びが乱れてしまいます。

歯周病や歯肉の退縮

歯周病は歯を支える歯茎や歯槽骨を徐々に破壊し、歯の健康全体に悪影響を与えます。加齢による骨の代謝の低下も相まって歯が移動しやすい状態になり、歯並びが乱れる原因となります。歯周病は放置するとどんどん進行してしまうため早めの対策が重要です。

舌や頬の筋力の衰え

口周りの筋肉は歯を正しい位置に保つ働きを持っています。年齢を重ねることでこれらの筋肉が弱くなると、歯を支えるための力が不足し歯が移動しやすくなります。

歯並びの悪化を
予防・改善するための方法

日々の歯のケアの徹底

虫歯や歯周病によって歯周組織が弱ってしまうと歯並びが悪化しやすくなるため、日々の歯のケアが欠かせません。柔らかめの歯ブラシや歯間ブラシを活用し、歯と歯茎の間や歯間の汚れを丁寧に取り除くよう心掛けましょう。また、フロスの使用や、虫歯や歯周病を予防するためのフッ素入りの歯磨き粉を選ぶことも効果的です。さらに、食後のこまめな口腔ケアも、老化による歯並びの変化を抑える助けとなります。

専門家による定期的なケア

歯の汚れは自宅でのケアだけでは完全に取り除くことができません。歯並びや歯周病の進行を防ぐうえで、歯科医師や歯科衛生士による定期的なケア（歯のクリーニング）が非常に重要です。半年に一度のペースで歯科検診を受け、歯垢や歯石の除去を行うことで、口内環境を清潔に保つことができます。

歯列矯正

加齢により歯並びが変化した場合でも、歯列矯正を行うことで改善が期待できます。歯列矯正は歯や顎の状態が健康であれば、基本的に何歳からでも開始することができます。正しく噛めることは認知症の予防や全身の健康にも役立ちますので、ぜひ何歳からでも歯列矯正をご検討ください。

※虫歯や歯周病が進行している場合は先に治療をおこなう必要があります

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